3月16日に執筆者の1人として関わっていた WordPress の学習書籍「速習デザイン WordPress 3.x」が発売されます。この本には、私以外にも、星野さん( @khoshino )と豊田さん( @Mighty_Works )が執筆者として名を連ねていて、それぞれの長所を書籍に反映できているのではないかと思います。
速習デザイン WordPress 3.x
価格 : ¥2,814
出版社: 技術評論社 (2012/3/16)
大型本: 272ページ
CMS・ブログサイト構築の世界的標準といえるWordPress。オープンソースながら企業サイトや商用サイトにも広く利用されており、CMS利用が欠かせない今後のWeb制作において開発者にとっては対応必須のツールといえます。商用に使える実用的なCMSサイトが作成できるように、WordPressの基礎をインストールの初歩から理解するための入門テキストです。お店サイト作例をもとに実際に操作して、テーマ、テンプレート作成の手順を学習できます。実践的なテンプレートタグの使い方を理解し、役立つ定番プラグインも紹介します。
執筆の際に、いくつかこだわった点があるので、選定の一助としてもらえればと思います。
1.Webデザイナーさん向け
書籍の対象者として、WebデザイナーもしくはWebデザイナーを目指す人を想定しています。そのため、HTMLやCSSに関する説明などは一切割愛しています。これは、HTMLやCSSについての解説が入ると、その分 WordPress についての説明が減り、結果として全体として内容の薄い本にしかならないためです。また、内容についても業務としてCMSに利用することを前提としているため、CMS向けの機能を重点的に、CMSとして利用しない機能については、省略または簡単な説明に止めています。
2.テーマ制作に特化した内容
Webデザイナーさんが、まずWordPressに関わる点となるのが、WordPressのテーマの制作になるかと思います。書籍においては、WordPress自体の解説以外にも、Part3 とPart 4 の2パートをテーマの作成関連にあて、Part 3では、テーマ制作に必要となる基礎知識、Part 4では htmlファイルを元に実際に手順を踏みながらテーマ制作を行い、WordPressでのサイト制作に必須となるテーマ制作について学べるようになっています。
3.実案件にも投入可能なビジネステーマ
書籍付属のテーマは、単なる学習用のテーマにとどまらず、実案件にも利用できるような作りにしています。例えば、カスタムメニューは、ヘッダー、グローバル、フッターの3カ所。ウィジェットエリアは、ヘッダー、サイドバーの2カ所、フッターの4カ所、トップページの2カ所の計9カ所とカスタマイズしやすいように。そして、パンくずナビやページナビ(ページャー)の標準実装など、様々な工夫が凝らされています。さらに、html5でのマークアップとなっているので、WordPressだけでなくhtml5の要素や属性の使い方を学ぶことも可能です。
4.Dreamweaverのコードカラーリングに合わせたサンプルコード表示
テーマの制作Partで表示するコードは、Adobe Dreamweaverのコードカラーリングに合わせています。これは、Webデザイナーにとって馴染みの深いカラーリングであると共に、Dreamweaverで開発を行った場合、画面上と書籍のコードとの違いが分かりやすくなるようにとの考えによるものです。(ただし、DTPデザイナーさんにはものすごく迷惑をかけてしまいましたが。。。)
5.functions.phpに解説を記述
functions.phpは、初めて見る方(特にデザイナーさん)にとっては、敷居が高く理解しにくいものです。書籍内で解説を行うと、PHPに関する理解が必要となり、書籍の難度も極端に上がってしまうことから、書籍内での解説は一切行わないことにしました。しかしながら、初心者を卒業して、独自にテーマを作ったりカスタマイズする場合、functions.phpで行われていることを理解する必要が出てきてしまいます。
これに対応できるよう、今回、書籍と共にダウンロードできるテーマのfunctions.phpには、コメントでの解説をつけています。WordPressは使えるようにはなったけど、functions.phpでやっていることがよく分からないという人は、付属のテーマのfunctions.phpを見て、ウィジェットエリアの追加方法や、カスタムメニューの実装方法、アイキャッチ画像の設定方法も学べるようになっています。
最後に
私が本格的に WordPress を学び始めたのは2008年で、その当時発刊されていた WordPress の書籍2冊を常にデスクに常備し、本とにらめっこしながら勉強した憶えがあります。いわば私自身、その書籍がなければ、私が得た知識をこうしてお伝えできることもなかったかもしれません。発売される書籍を通じて、知識を身につけていただき、更に後進へと受け継いでもらえるようになれば、望外のよろこびです。